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izumo

前回のブログで紹介したとっくに始まっている渋谷ヒカリエでの2週間限定の出店
も早いもので明日4/2(水)でとうとう終わってしまいます!
もしもまだ行ってないよって方は是非!
そんな最中にヒカリエのショップも西荻窪のショップも人に任せ、私は金曜日から
一昨日の朝まで島根県の出雲に行ってました。
島根県障がい者就労事業振興センターの下中さんが先日わざわざ東京のマジェルカまで
私に会いに来て下さり話をする中で、県内複数の事業所が集まる商品販売会の機会に
私を呼ぶ事で島根県内でモノづくりをされている福祉
事業所さんとマジェルカが繋がれる
事を期待して呼んで下さった形ですが、こちらとしてもとても有難い事です。
島根県を訪れるのは初めてですが、伝統工芸や民族文化に興味がある私にとっては以前
から関心が高いエリアなのでした。
そんな私にとってはせっかくの機会です。
仕事で呼ばれて行くのではありますが早めに到着して少し自分の時間を作らせてもらう
ことにしました。
そんな初日の現地では振興センターの安部さんが案内して下さいました。
個人的な行動なので当然自分でレンタカーか何かで廻るつもりだったので、わざわざご案内
して頂く考えなど毛頭ないしあまりに恐縮なのでお断りしたのですが結果的に助かりました。
というのもアホな私は免許証を入れた財布を忘れて来てしまっていたから・・・
そして出雲は交通の便があまり良くない、というか悪い。
まずは当然出雲大社
実際に見る大注連縄は圧巻です。
天気も良し!

全国では神無月と呼ばれる11月、ここ出雲では神在月と呼ばれるように日本中から八百万
(やおよろず)の神様が集まるという出雲大社
今はお集まりではありませんが気持ちが引き締まります。
縁結びの神様と言われていますから、これから様々な良いご縁に恵まれますようにとお願いを
するつもりでいたのですが、結局参拝の時には何も考えずに拝んでいたような気がします。
そしてお昼にそば粉の香りが強い私好みの出雲そばを頂いた後には、是非とも行ってみたかった
出西窯(しゅっさいがま)へと。

出雲の西だから出西。
出西窯の器は随分あちこちで取り上げられて東京でも目にする機会は増えましたが、民藝好き
にとっては基本中の基本。
出雲に来てここの他にも訪れてみたい候補地は様々とあったのですが、限られた時間の中で
ここを選んだのは、そもそも私が普段の仕事で扱う福祉施設で作られる手仕事の品達にもヒトや
ストーリー、土地など様々な背景というものがあります。
そしてそこの何かに共感したり共鳴する事、またはただ感心するだけでも、その背景を私自身が
知るという事によってそれらのモノの魅力を、単なるモノとしてだけでは無く、そんな背景を
知らない他の人よりは手にしてくれた相手(お客さん)に伝える事が出来るという思いを持って
携わっているつもり。
言い換えると、聞きかじった知識と想像だけで相手に伝えられるほどの器用さを持ち合わせてない
って話ですが・・・
そんな私が仕事ではなく個人的に民藝が好きで、出西窯、出西窯って言ってはいるけれど、注目
されているからその気になってるだけちゃうの?
ホントのところ、どうなん?出西窯って。
って思いがどっかにあったから(かも)
確認というか納得したいみたいな。
そう、偉そうだけど自分がが納得する為というか納得したい!
我が家にある器たちを好きなつもり、じゃなくてもっと本当に好きになる為に。
いわば「思い入れ」「思い込み」を強める作業です。
そして仕事としてマジェルカでもそんな感覚を重用視しているから、ここでもその感覚の
トレーニング(!?)のつもりで。
あー自分めんどくさ!
ってか何言ってるかわかんなくなってきたっ!!

今回ラッキーだったのは同行してくれた安部さんのお知り合いが出西窯にいらっしゃったので
色々と工房内を説明しながら案内して下さったり、お茶をご一緒しながら色んなお話が聞けた事。
さすが縁結びの国 出雲です。
火は入っていませんが迫力の登り窯

薪の入手が将来的な不安要素だとの話に、すかさず振興センターの安部さんが薪作りをしている
福祉施設があるのでその際には是非というお話を。
(確か東京の山の方でも薪作りをしている施設さんがあったっけ。)
こんなステキな形で障害ある方々の働きが生かされる可能性が!
出西窯では土や釉薬(うわぐすり)を長い期間をかけて熟成させるという手間ヒマをかけて自分たち
で作っています。

昔は当たり前だったこの工程も今では材料として業者から仕入れている窯も多いとの事です。
そして工房内には民藝運動の立役者の一人である河井寛次郎先生のお言葉。

お目当てのブツは残念ながら無かったものの随分と器を買いこんでしまいました。
島根には他にもスリップウェアで有名な湯町窯もあります。
私スリップウェア好きなのでこちらにも訪れたかったのですが時間が無く今回は断念。
このあとの夜は出雲市内で安部さんと美味しい地の魚とお酒を頂きながら福祉に関する熱い
思いを時にテーブルを叩きながら聞かせて頂くという楽しい夜となりました。
私は安部さんと別れた後に一人でもう一件別の店に行ったのですが、なんでか奥から出て来た
マスターと話し込んで(こまれて?)気付いたら日付が変わっていたので慌ててホテルに帰った
次第でした。。。
さて翌日のお仕事会場。
マジェルカでは今は食品は扱っていないのでそれ以外にはなってしまいますが気になったいくつか
の出品をご紹介。
こちらは社会福祉法人銀の鳩さんが裂き織り製品を出しているブースです。

市民会館という場所、そして会議テーブルやパーテーションという限られた備品を使いながらも
なかなかイイ感じの展示に仕上がっています。
聞いて少し納得ですが、スタッフのTさんは世界遺産として有名になった島根の石見銀山発でこちら
もいまや有名になったあの群言堂にいらっしゃったとの事。

ひとつひとつの商品も個人的には好きな風合い。

商品の展開力と出来上がりのクオリティもなかなか良いのでうかがうと工業用ミシンを5台使って
縫製しているとの事でこれも納得&期待値上昇。
ポテンシャル高しです。
ただ、今のマジェルカでは見せ方も売り方も難しいので考えなければなりません。
とりあえずいくつか「こういうのは出来ますか?」という投げかけをさせて頂きました。
いつかお邪魔させて欲しいと思う施設さんが見つかりました。
食品以外と言いながらいきなりトマトソース。

これを作っている「太陽の里」さんでは農業をされています。
製品としてこのトマトソースを作られていて、過去にメディアにも取り上げられたりもして
大人気で生産が追いつかずに入手困難だそうです。
(実際にネットショップでもSOLD OUTでした)
そういわれると尚更欲しくなりダダをこねていたら嬉しい事に下中さんが調達してくれました!
この地域特産の出西生姜が入っているそうで、これを使って何を作ろうか(作ってもらおうか)
楽しみです。
今はマジェルカでは食品を扱っていませんがいずれは欲しいかもしれません。
(“今は今は”って言ってますがきっと?たぶん?変わるマジェルカに期待してください!?)
こちらの金襴豪華なモノは帯で作ったタブレットケース!

きっと欲しい人は欲しいはず。
しかし私が持ったらきっと胡散クサイに違いない。
マジェルカ店内ではあまりに眩しい異彩を放ちそう。
マジェルカにもたまに外人さんが「日本のお土産になるものを」って覗かれます。
まさにこれなんかもってこいです。
そしてここは海外からも沢山の観光客が訪れる出雲の地。
お土産屋さんに営業かけましょう!美術館や博物館のショップに営業かけましょう!
ってしつこくあおっておきました。
やってくれるかな・・・
頼まれれば代わりに私がやってみたいけど。。。

こちらではその他にもこんな素敵な古布&刺し子のテーブルセンターなどもありました。
そして今回は島根の振興センターさんのイベントでしたが、鳥取の振興センターのコーディネーター
の赤井さんが今回私が来るという事で有難い事に素敵な商品を紹介しにわざわざお越し下さって
いました。

羊毛フェルトです。
作っているのは「ノームの糸車」さんですって
って!!!
何を驚いたかってノームの糸車さんの事は前から知ってるんです。
前からっていってもマジェルカを始める前から。
二年半前マジェルカ始める為に商品を全国から探している時に見つけた施設さんなんです!
そんでまずはメールでアプローチした!
でも返事もらえないままに遠くて行けないし店内の商品が増えたしでそれっきりに。
でも気にはなっていて、実は今回もせっかく山陰に行くから足を伸ばせないかと思案したのだ
けれど今は渋谷ヒカリエ出店の最中、あまりのんびりできないので諦めたのです。
そんなノームの糸車さんが向こうから来てくれました!
出雲大社の縁結びパワーおそるべし・・・
ノームさん自体は今回来れなかったので赤井さんが他の施設さんのちょっとイイ感じの刺し子
の製品なども一緒に持って来てくださった。
もしや赤井さんが神様?

羊毛フェルトっていわれてウチもやってるしって所も多いかもしれませんが、こちらは原毛から
やってるんですよ。
原毛どころか牧羊からと言った方がいいかも。
今は外部の牧場に委託してますがなんと以前は自分達で羊を飼っていたんです。
写真のような可愛らしい雑貨だけでなく、そんな羊毛を紡いだ毛糸を使って編んだ製品や
毛糸自体もあるのです。
「今度は鬼太郎空港で!」
という赤井さんの言葉にいつか鳥取にもお邪魔できる時が来るかもと期待です!
さて、また島根県内の出展ブースのご紹介です。

島根の石見地方には石見神楽というものが郷土芸能として存在しており、地元にある「石見福祉会」
さんではその神楽面や衣装を作っています。
この写真のモノはあくまでもお土産用のおもちゃですが、実際の神楽舞いで使う本格的なモノも
作っています。
そして面や衣装を作るだけでなく自分たちでも舞います!

演目は「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」おろちといっても楳図かずおの恐怖マンガではありません。
ヒゲ面は主人公の須佐之男命(スサノオノミコト
ジイさんはアシナヅチ、バアさんはテナヅチ、真ん中にはその娘のクシイナダヒメ。
ちなみにその名前からしてこのジイさんバアさんと足長手長という妖怪とは関連があると私は
にらんでいます。
私は妖怪が好きです。
だから鳥取の水木ロード行きたいんです。
話が飛びまくりましたが、ヤマタノオロチに食われる運命の姫を須佐之男命が救うという物語。
さっきも言いましたがこれらの面や衣装を石見福祉会さんで作っているというから驚きです。
出ました!

会場の都合上、今回は8頭ではなく4頭でお願いしますm(-_-)m
こいつらが・・・
こんなんなったり!

チビッ子ちょっとビビってます。
写真ブレてますが私はビビってなんかいません。
こんなんなったり!

もうこんなんなっちゃったり!

でも調子に乗りすぎたオロチたちはやっつけられちゃうのでした。

4頭の内2頭のオロチには障害を抱えたメンバーも入って舞っています。
スサノオにもがれたオロチの首に、さっきまでビビってたくせにチビッ子達がとどめを刺して
いるところです。

神楽舞い、こんな形で初めて見ましたがとても迫力がありました。
今度はきちんとした舞台で8頭のオロチが暴れる様を見てみたいものです。
たまに東京などで公演することもあるそう。
どなたか企画して呼んでみませんか?
今回の島根出張、こうやって書いてみるとなんだか遊んでばかりといわれそう・・・
翌朝は朝一番の7時台の飛行機。
これまた恐縮な事に振興センターの下中さんが出雲空港まで送って下さる事。
しかし私がグズグズしていたお陰で空港までの15キロ近い道のりを15分くらいで
飛ばしてもらって間に合い、チェックインが終了していた飛行機に滑り込むという
感じで慌ただしく島根を後にしたのでした。
そしてその日の昼前には渋谷のヒカリエの店頭。
神の国から一気に現実へ。
※明日4/2(水)は西荻窪マジェルカは臨時休業とさせて頂きます。

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