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ライバル出現⁈

先週の事ですが、用事があって東京都庁に行ってきました。

舛添知事への政治資金の私的流用問題の追求など、その目的はいくつかあったの

ですが、残念ながら今回はそんなに時間がなかったのでその辺りの事は他の人に

任せて、ひとまず私は東京都の福祉保健局へ。

福祉保健局への用事はいくつかありまして、その一つは今年の春先に

丸井錦糸町店、ららぽーと立川立飛店、そして東京都庁で「ユニークプラス」

と銘打って販売イベントを展開していた“自主製品魅力発信プロジェクト”に

関する情報収集。

そこに参加したり、打診されたりした、都内の福祉事業所の方々にはすでに

お馴染みでしょうが「ユニークプラス」のHPがこちら

福祉事業所が作る魅力ある自主製品の情報を常に探し、良いモノがあれば

仕入れるバイヤーの立場としてはこういう情報は欲しいし、うまくいけば

取引するお互いのメリットになる可能性があると思うのですが、主催側から

マジェルカにその魅力が“発信”される事は特段ありませんでした。

でもお付き合いのあるいくつかの事業所さんから耳にし、知る事は出来て

いたので、是非どこかのタイミングで覗きに行きたいと思いつつも、残念ながら

その時間が取れないままにその開催期間が終わってしまいました。

では、この魅力発信プロジェクトの今後の予定は?

とそこのホームページを見てもこのイベント以降の事は触れられていない。

しかし最後に「当プロジェクトへのお問い合わせ先」と親切に書いてある

ので「色々気になる事をきいてみよっかなー」

という事でご連絡。

わざわざ担当の職員さんが時間をとってくれました。

まずはこの「魅力発信プロジェクト」とまでいうからには今まであちこちで

やってたような、ただ期間限定の販売イベントやって終了って事はないんでしょ?

と今後の展開予定をうかがってみました。

するとなんと!

23区内に2つ、多摩地域に1つと都内に一挙に3店舗もの常設ショップを

オープンさせるという予定!

しかもさらにビックリ‼︎

そのOPENは今年中の予定だということ!

自分のアンテナの低さにちょっぴり反省・・・

この春先の販売イベントは、最終的にこの常設ショップを開店するにあたっての

リサーチの意味合いだったとの事。

恐らく、事業所側のプロジェクトに対する温度感や、実際に参加したり動きを

とった事業所の対応力やその商品のクオリティ、そして当然市場の反応、

といった事だと思います。

さて、そこで気になるのは一体どんなショップなの?という事。

都内限定ではなく全国対応ですがウチも自主製品専門のショップを営んでる手前、

しかも同じ商圏内にできる(マジェルカのある多摩地域にも作るって言ってるし)

のがどんなショップなのかは当然ながらとってもとっても気になるところ。

それぞれお互いの立場と役割り、棲み分けしながらやっていきたいところですよねー♪

と思いつつうかがってみました。

してその答えは

・食品ではなく雑貨専門のショップ

・商品はセレクトをかけて一定以上のクオリティのものだけを扱う

・「障害者が~」というのを前面に出さない従来の福祉ショップとは一線を画すショップ

・一般客の集客を重視してそれなりのロケーションへの出店

・売り場から作り手の福祉現場に情報をフィードバックしていく

などなど

ふむふむ、いーじゃないですか。

ん!?

「あの・・・そういうショップ、私知ってます!」

「えーと、確かマジョルカだかマジカルだかいう名前の店だった気がします・・・」

ちょっぴりモヤモヤしますがひとまず他にも質問を。

随分以前から工賃倍増だとか工賃向上だとか数十年?十数年?言い続けてあれこれ

やってきた中で、今になってやっとこういう場を行政主導で作ることに踏み切った

のは何故?てなことを伺ってみると、

福祉施設にアンケートを取ってみると、「工賃を上げたくても売る場所や機会が無い」

という声がとっても多いからだそう。

ところで、ここでひとつ言っておくと、マジェルカには、自分たちの施設や団体で

作っているモノを置いて欲しいという旨のご連絡やご相談を日々全国から頂きます。

実際、昨日も今日もそういう電話や来訪がありました。

様々な地方から来るそういったアプローチに対して、近場である都内の事業所

さんからそのようなアプローチを積極的に頂く事って、全く無い訳ではないですが

比較的少ないですよ。。。

今日は都内から「マジェルカで私たちの作ってるモノ置いてもらうにはどうすれば

いいんですか?」って方が。

が、その方は職員さんではなく、福祉作業所に通っているという利用者さん本人。

その方と直接取引は出来ないので、「担当職員さんから連絡を・・・」とお伝えしました。

彼女、帰りにマスクマンクリアファイルを買って行ってくれました。

(よっぽど社会性あるなーと思ってしまいました・・・)

でも東京界隈の施設職員さんはあまり来ません。。。

マジェルカって東京界隈の福祉業界ではまだまだ認知されてないのかもしれません。

福祉業界(どっからどこまでがこの業界なのかは言っていてよくわかりませんが)

の中で、「売る」部分にフォーカスした活動に関わってきた私が感じているのは、

法律で「そうしなさいよ」と決められているからだけでなく、利用者さんの収入

アップとかそれ以外でも、なにかしら達成したい事や目的があり、そのための手段

として「モノを作って売る」方法を選んでいるはずだと思うのですが、多くの方は

その手段のうちのあくまで一部のプロセスでしかない「作る」って事への

モチベーションは高いのに対し、結果を生み出すには重要なもう一部のプロセスの

「売る」という事に対してのモチベーションが比べて低いなという事。

欠けていれば身につければ良い常識や知識、技術の話ではなくその前提となる

モチベーションの話です。

実際に障害者施設の内でも外でも「障害者と一緒に作る」に関わる方や関わり

たい~という人はどんどん増えているのに比べて「売る」に関わったり、そこを

重視して実行する人ってのは、全く無いわけじゃないですが、比較してなかなか

増えない感じ。

どんどん作り出しはするけれどその出口は用意しないというアンバランス。

根拠はありません、若干バイアスかかってるかもしれませんが、マジェルカで日々

接したり見たりする様々な方々や事柄から感じている事。

マジェルカにあまり都内事業所さんが来ないというのも一部はそこに起因しているの

かななどと考えておりますが。

さて、さっきの「なぜ今ショップを?」という質問に対して、

「売る場所無いので工賃上げられないっていうから作ります。」

という答えとは別に、もひとつここまでハッキリ言った訳ではなく、私なりの訳ですが

(かなり私の解釈入ってます)

「今まで販路に関しては主に市区町村や事業所に任せてきて、それぞれが福祉バザーとか

福祉ショップ的な事や、その他各種セミナー的なアレコレを、やったりやらなかったり

してきました。

しかし全然結果を出さないもんだから、ここはいっちょ都として気合入れてガッツリ

関わって結果を出そうという事です!」

みたいな。

その点で今回の東京都の計画は、いよいよ福祉業界(at東京)もいよいよ売るって事を

本気で考えるようになったか、という感覚。

ここまでやられるとさすがに都内の雑貨作る事業所さんたちも「売るとこが無い」

って言い訳が通用しなくなってしまいますね!

とはいえ、今回の件、いーじゃないの!ガンガンいきましょう!という反面でモヤモヤ

している部分があります。

それはマジェルカの(私の)考え方としてはっきりしていますが。

「マジェルカは全国の障害者の方々が作る製品の中から魅力的な商品を・・・セレクト

ショップです。」と謳っているように障害のある方全てに機会を提供しているわけでは

ないし、そのつもりもありません、あくまでも選別しています。

要はイイとこ取りしてるしイイとこだけ見せてます。

そして、福祉業界にとって、こんなマジェルカの様なショップがあってもいいのですが、

(これは自分でいうのもなんですがあるべきだと考えています)

こんな売り場ばかりになってしまう事、そしてマジェルカで扱われるような商品ばかり

になってしまう事はむしろ異常な事で問題、あってはならない事だとまで考えています。

まず、私の中では福祉施設で作られる商品に対して区分けがあります。

個々のモノやコト単位でも異なってきますし、相手によってもその評価は変わってきます

から、必ずしも常に明確に分けられるものではありませんがひとまず

①すでに完成度が高いものづくりや活動が出来ていて手出しも口出しも必要ないか出来ない

②レベルは高いが、さらに高みを目指せる余地があり、それに対しての自覚と欲求もある

③実は結構なポテンシャルをはらんではいるがその自覚が余りない

④現実的な面から限界値が見えているがその中で少しでも良い効果を生み出したい

⑤そもそもそこに対して改善する気なんてない

⑤は利用者さんのその後の行き場を見つけてあげた上でさっさと廃業して下さい、という

感じですが、この数字の順番は上に行くほど良く、下にいくほど悪いという単純なものでは

ありませんし、常に変動するもの。

③はあまり目に付きにくいのでこういうのはバイヤー的には見つけて一番嬉しいタイプ。

④と⑤が選別するマジェルカでは扱う事が出来ない相手となるのですが、⑤は無視として

④に関してはマジェルカで扱うレベルでないからといって価値が無いとはいえません。

あくまでもマジェルカが設定している価値にそぐわないだけであって別の価値をもっている

はず。

そういう価値が、マジェルカみたいな売り場だらけになった時に、受け皿なく切り捨て

られてしまうのは問題だと考えます。

しかもその価値の先には例外なく生身の人間が存在しているわけですから。

余談になりますが、障害者の商品の取引をウェルフェアトレードといって、ウチでも使わせ

てもらっていますが、海外の労働者を慮ったフェアトレードが社会に浸透したのに比べ、

より身近な国内の障害者のウェルフェアトレードが同じように浸透するハードルは高い

のでは、と考えています。

何故なら、遠い海外で不当な労働環境に従事している子供たちの問題に比べ、国内の障害者

の話になると、その対象である障害当事者や、そしてその支援活動に携わっている人たちって

のはそこそこ近い存在にあって生々しい、言い換えるとリアルだから。

オサレなブランドの商品を買って

「このお買い物がきっと海を渡った遠い空の下の彼らの役に立ってるのね。」と

ホワホワーンとイメージするだけで済ましちゃいけない感じがあるから。

そんな軽々しくやっちゃいけないんじゃないか、やるならいかにも~な感じでやった方が

いいんじゃないかみたいな。

なんて事を考えたりしてます。

考えすぎでしょうかね。

話を戻して

マジェルカの役割ではフォローが出来ない、上でいう④みたいなところに関して、

こういう所こそ公共のサービスで積極的にフォローしていくべきだと考えています。

だけど実際は⑤のようなやる気のない所までをフォローする事になってしまい、

結果、他の改善を望んでいる人たちの成長どころか足を引っ張ったり、無駄を生み出す

ことになっているのがこれまでの多くの福祉ショップの課題ではないかと。

セレクト自体はあってしかるべきですが、④のような「頑張っているけれどここまで

しか出来ない」というような所の受け皿としては公共サービスが積極的に機能してほしい

と考えています。

マジェルカではどんなに頑張っていても商品としてのクオリティが低いモノは扱えません

から、そこは違う役割を発揮して欲しい所なんです。

その点では今回の都のショップの、セレクトしていくという方針に対しては

「ウチがやってんだからそこはいーじゃんか」という少々納得いかないものを感じ、

そんな事もぶつけてはきたのですが、すでに規定事項として進んでいる計画。

今これからどうこうなるわけでもなく、また、実際に始まってみないとわからないと

いう様子でもあったのと、「ライバル出現!」なんていって噛み付いたり張り合っても

圧倒的な資源をバックにした東京都の事業にマジェルカが太刀打ちなどが出来るわけが

そもそもない。

むしろ共存共栄していくべく、まだまだ発展途上な福祉施設の商品の市場を一緒に

盛り上げていくというのが建設的かと。

って事で、「それぞれの活動は活動として、全国のそういう類のショップの連携や

情報交換の機会なんかを作りましょうよ!」とご提案。

今期中に3店舗オープンという課題に若干頭を抱えてしまっている時でもあるせいか、

「いいですね」というお返事にちょっぴり元気が無かったですが、ちょっとそんな関わり

方も面白いよななんて思って今後注視していこうと思います。

長々と書いてしまいましたが最後に前回ご案内した内容を再度。

「マジェルカオーナーが色々なご質問やご相談にお答えします」的なコレ

すぐに数名の方から参加お申し込みを頂きました。

マジェルカの地下ギャラリースペースでテーブル囲んでこじんまり、というイメージ

ですがまだ少し淋しい感じ、なので是非まだご参加下さい。

私もこの機会にじっくり新しい色んな方とお話し、情報交換してみたいと思っています。

じゃあ参加してみよっかなって方は info@localhostまで!

今回もめんどくさそうな人っぽいブログを書いてしまいました・・・

 

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