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マジェルカ、障害者就労支援事業所へ(その2)

前回の記事、3ヶ月ぶりという久々の更新

だったにも関わらず2日間で2000以上

のページビューに。

 

この数はマジェルカのブログとしては

まぁまぁな方で、Facebookなどの

シェアで応援して下さった方がいたおかげ

もありますし、そのタイトルから内容に

関心を持ってくれた方も多かったのかと

感じています。

 

続きを早めに書かなければとは思いつつ、

この先考えている内容には、正直書くのに

筆が重くなりそうな事柄もあったり。。。

 

とはいえ今回は前回話したとおり、なぜ

マジェルカが福祉事業所をはじめようと

しているのか、そしてどう変わるのか、

なんて事をお伝えしていこうかと。

 

ただ、ここでは営業用のパンフよろしく、

整理して飾った綺麗な言葉を使って簡潔に

ではなく、脱線気味にも見えるかもですが

これまで私が見聞きをしてきた事と、それ

について思ったり考えたりした事などを

散りばめていくつもりです。

 

なぜなら今日まで続けてきた活動の中から

いろいろ考えた結果での今回の判断だし、

また、それらの事も伝える事で理解して

頂きやすい事があるかと思うので。

 

そう、理解して欲しくて書いています。

そして出来ることなら応援も。

 

今までは何か反響があっても自分一人が

被ればよいという感じでやってきたけれど

今後はより多くの人がマジェルカという

看板の元で関わっていく事になるから。

 

さすがに全ての人からもらえると思っては

いませんが、その為には理解と応援を少し

でも増やしていきたい。

 

たとえワタシの事は嫌いでもマジェルカの

事はヨロシク!みたいな感じです。

 

ではぼちぼち本題に。

 

今回マジェルカは就労継続支援事業所を

始めると決断したわけですが、それ以前

から周囲でそれを進めてくれる方々は

いらっしゃいました。

 

そのような話しが出るのは決まって

「マジェルカの運営はなかなか厳しいぜ」

という話題になった時。

 

その解決の手段の一つとして提案をして

頂くことがこれまでもあったのです。

 

そういった皆さんはきっと親切心からで

あったし、相手かまわずではなく、この

マジェルカの事業を知った上でアドバイス

して下さっていたのだとは思っています。

 

ですが、それを聞くたびにそんな親切心

への感謝とは別に、違和感を感じていた

のも事実なのです。

 

それは

「障害者支援事業を運営立て直しの手段に?」

ということに。

そして同時に

「それを目的で福祉事業に手を出す所ってあるの?」

という疑問も。

 

そしてこの想像は、残念ながらその後見聞

きする中で事実としてある事を知ります。

 

例えば

ある時期に縫製を受けてくれる作業所を

探して辿り着いた作業所さん。

そこは謳い文句とは異なり縫製作業は

しておらず、会議机を並べた狭い一室に

利用者を集めて下請けの単純作業だけ

をやらせていました。

元々町場の縫製工場の社長だったという

施設長が、使い込まれたミシンなど

機材や布などが所狭しと置かれている

けど誰もいない部屋(その時点で不安感)

を案内してくれながら口をついて出るのは

「昔はどこそこの有名ブランドの仕事していた」とか

「他所よりもこんな技術も持ってた」

なんて話から

「海外にすっかり仕事持っていかれた」

なんて愚痴など。。。

そんな事よりこちらの訪問目的である

 

「今、縫製は?」

という問いには

「やる人いないし仕事無いからやらない」

と。

思い返せば最初にかけた電話の時点で

きちんとした対応ではなく怪しかった。

でも、それを半ば無理に訪問したのは自分

なので。。。

「はぁ・・・そーですか」と。

ただ、不思議に思い「なぜ作業所を?」と

聞けば「知人に進められたから」だそう。

「はぁ・・・そーですか」と。

帰りがけに通った皆さんが黙々と働く

作業場はなんだか活気がなく、顔を

上げた利用者さんや若いスタッフさんの

目が、なんだか助けてほしそうに見えた。

 

助けるとか、お前何様だよって感じだし、
勝手な思い込みだろうけれどその時は
本当にそう思えて、息苦しい気持ちで

そこを後にしたのを今でも覚えています。

 

また、まさにマジェルカがやろうと

している「就労継続支援A型事業所」

には、障害者を雇用する事で入る助成金

目当てで、実態はたいした仕事もさせずに

通ってさえくれる利用者を集め、助成金

入ったら理由をつけて追い出し、代わりに

新たな別の利用者を入れ、また助成金

得るというようなのが全国的にもかなり

横行したようで、「悪しきA型」なんて

言葉が福祉業界では流通しちゃったりして

います。

 

実際に福祉をこんな形で利用するところも

あるというお話でしたが、その事を知る

知らないに関わらず、マジェルカ自らが

福祉事業に手を出すというのにはその点で

抵抗感は持っていました。

 

それに、もともとマジェルカは、たまたま

障害のある方が作る質の高い製品に触れる

機会があり、それらには、巷に溢れ、既に

消費されまくっている価値とは別の、まだ

多くの人に知られていない

(そもそも自分も知らなかった!)

新しい価値があると見て取り、新たな商売

しかもそれは関わる誰もにとってHappyな

商売になりえるんじゃないかと考え始めた

もの。

 

その時はまさしく「発見した!」と感じた

ものでした。

 

ですから、

「障害者の為に何か力になりたい!」

という思いが先にあって、その手段を探る

中でたどり着いたというのとはちょっと

違う。

 

世の中にある様々なショップのオーナーが

それぞれで価値を掘り起こし、世界観を

作り上げて発信し、その価値への共感者を

増やしていくことで商売として成り立たせ

ているショップと同じものを目指すつもり

でした。

 

マジェルカで扱うような商品がそれまで

世間から埋もれていたのは、そうやって

普通の価値として広く世の中で流通させる

のではなく、障害者支援という文脈の中で

普通ではない特別なモノとしか見られて

いなかったからではないかと。

 

それはマジェルカが感じた価値を発信

するその相手も、その手段も異なる

のでそこには興味はない。

 

むしろそこから一線を画したやり方こそが

マジェルカの新しい価値と考えていたから
わざわざ福祉の枠組みの内側に入るなんて
考えもしていなかった。

意識的に距離を取っていたくらいです。

 

 

加えて、それまでは障害者支援の現場を

ほとんど知らなかった自分が、実際に現場

を足で巡ったり、そこで日々働く人々と

やり取りをするにつれ、それがたくさんの

人の人生や命にも関わる仕事だと実感し

これにきちんと向かい合うというのは

それはなんとも大変な仕事なのだと思う事

も増えていきました。

 

とはいえ、ぶっちゃけ言うと、そんな、

人の人生や命にも関わる大変な仕事の割

には、先生や医者や保育士や介護士など

比べて作業所のスタッフって別に資格も

必要なく、むしろ誰でも就けるみたいな

ところがあったりする。

そのせいなのか残念ながらプロとは思え

ない人もいるのは事実だったりもして、

そんなのを見て大変な仕事してるとは

露にも思ってませんが、そのほとんどは

プロとして、またはプロを目指して真摯

に取り組んでいますから、そういう方々

を見ていると、自分にはこんな仕事とても

出来ないと感じていた。。。

 

障害のある人の人生や命に、たとえその

わずか一部であっても、責任を持って

関わるという事を、とても怖い事だと

さえ思ってたりもしてました。

(今だって思ってますが)

だから彼らが作った雑貨という「物」だけ

を扱うという、ある点リスクの少ない

無責任な関わり方をしてきたのかなという

思いも片隅にあります。

大袈裟に考えすぎなんでしょうか。

さて、今日ここまでは障害者支援の現場を

やらない、やりたくなかったという事を

書いてきました。

 

では、そんなマジェルカが何故?

 

というのはまた次回以降に。

 

このテーマ、最終的に何回になるのか

ちょっとわかりませんが、よろしければもう

少しお付き合い下さいませ。

 

先日新たなお取り引き作業所さんの見学に

訪問してきたりもしていますので、あいまに

それらご報告などの別の記事を挟む事も

あるかもしれません。

 

画像はその一つ「すいーつばたけ」さんの

モビール

素敵ですよね。

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