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マジェルカcaféー作業所製品の価格設定について考えるー

Fです。

 

これまで不定期で「マジェルカcafé」という会を開催してきました。

そもそもは普段からマジェルカの話を聞きたいと仰ってくれる方がちらほらいらっしゃるので始めた会です。

毎回特にテーマは決めずに、その時々の参加者の皆さまと、私からするマジェルカに関するお話を中心に、主には福祉作業所製品を売ることや作ることを話す事が多い場でした。

参加者は、福祉施設だったり支援学校や支援団体で働く方や障害当事者の方、福祉系や芸術系の学生さんや行政の方、障害のあるご家族がいる方、障害のある方と一緒に何か活動をしている方やこれから何かしたい方、たまにメディアの方も、他にはただマジェルカのファンでいてくださる方などなど様々な立場の方達。

地方からの方も多く参加してくれました。

 

そこに参加した方が今、マジェルカのコアなスタッフとして働いてくれるようになったりもしています。

 

テーマを決めない分、お互いに普段は関わらない世界からの興味深い話題が出てくることもあれば、時間が限られているために飛び出す様々な話の一つ一つを深掘りできずに中途半端に終わってしまったかなと感じる時も、また、様々な立場からの話が聞ける一方で、自分が知りたい事や聞きたい事にたどり着けず期待外れで帰る方達もあったのではないかと感じる時もたまに。。。

 

 

ということで・・・

 

次回の「マジェルカcafé」ではテーマや対象者を少し絞り込んで、参加者とそのテーマを深掘りしてみることにしました。

 

そして選んだテーマは「作業所製品の価格について考える」

 

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なんか固い・・・

 

これまでの「マジェルカcafé」でも「売る側」「買う側」双方から意見が多く飛びだす内容。

また、これまで私が講師として参加したセミナーや講演でも、支援の現場にいる方々から必ず(ホントに必ず)出てくるのが「値段の設定に悩んでいる」とか、「値上げしたいけれどそのタイミングは?」とかとか作業所製品の価格設定に関するお悩み。

 (あまりにも毎回聞かれるので最近はセミナーの内容に必ず盛り込んでいます。)

 

だからいつかやってみたいと考えていた内容です。

 

さて、

 

障害者福祉の業界では“工賃(作業所で働く障害者の収入)アップ”が叫ばれて久しく、ちょっと前には「工賃倍増計画」という前時代的なネーミングの施策の元で、工賃アップをテーマにした研修やイベントが全国で繰り返され、それを目的にした助成金も増え、コンサルや設備業者があちこちで活躍するという盛り上がりをみせていた時期がありました。

しかし、いまだ工賃アップした!と胸をはれるほどの状況には遠いにも関わらず、「工賃倍増計画」から「工賃向上計画」とトーンダウンし、それもいつのまにか終わってるのか終わってないのか福祉の前線で働いている人達にもよくわからない状況にまで尻すぼんできた様子をみていると、今回のテーマは業界的にはもう時代遅れなのかも。

 

そんな私も支援団体が主催する、その名も「工賃向上セミナー」で講師を務めたりしたことがあります。

ある時のセミナーでは、参加した作業所職員さんから「私たちは利用者の支援の方が重要だから工賃をあげる必要は無い!」という声があがりました。

(こういう時の支援とは主に生活面や健康面での支援を指しているのだと思います)

 

「それならなぜ工賃向上セミナーに参加を?」と私

「参加しろって言われたから来ただけ・・・」と彼

 

 だったらこの無駄だという時間を自分が大切だという利用者さんの支援に当ててほしいところですが、なんだか言っていることとやっていることがちぐはぐです。

 

振り返っても私が納得できないのは「工賃をあげる必要ない」と彼が考えていたことではなく、「利用者の支援」を第一に考えていると言いつつ、実は何かをやらない理由に「利用者の支援のため」を使っているようなところ。

 

その後もそういう例を何度か見聞きしてきました。 

 

ただ、彼の言うこと、やることに納得はできないけれど理解できなくはない。

というのは、人がしっかりと働くためには、まずは生活面や健康面の安定が重要だと私も理解はしていますから(マジェルカ自体がA型事業所をはじめてみて尚更のこと)工賃向上以前に、というかそのためにもその部分の支援の方が優先だというのは分からなくはない。

また、ものづくりでの「工賃向上」がいわれる時には、商品企画やデザイン、販路の開拓など表面的なことばかりが単なる方法論として優先され、作り手である障害のある利用者の仕事の捉え方や見せ方、彼らとの関わり方といったことがあまりきちんと議論されることが少ないようにも見えます。

 その結果苦手意識もあいまって、工賃をあげることの意味や効果がストンと“腹落ち”しないままにきてしまっているから反発したり迷い続けている支援者たちも多くいるのではないのかなとも考えたり。

 

作り手である障害のある利用者の仕事の捉え方や見せ方、彼らとの関わり方、その全てではありませんが、彼らの作る製品の価格設定を考える中から説明できる事、見えてくるのではないかと思うことが、「売ること」を通して数多くの作業所とお客様との間に立ち続けて来た私たちマジェルカには具体的にあるのです。

 

そしてそれはマジェルカだからこそ伝えられることかもしれないとも思っています。

 

ぜひこの機会に一緒に考えてみませんか?

 

前半はセミナー形式でマジェルカの考える作業所製品の価格設定の考え方を提案、

後半はワークショップ形式で参加者の方々と価格設定について考えます

 

●参加条件:原則障害者支援に関わっている方(その他でも興味ある方は応相談)

●予約制:1団体2名様までのご参加でお願いいたします

●参加費:会の参加費は無料ですが、当日マジェルカでお買い物をしてください

お申し込みは下記まで(定員15名程度まで先着順とさせて頂きます)

メール:info@localhost  電話:0422-27-1623

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