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『ビューティフル・マインド』(2001年、ロン・ハワード監督)

KMです。

以前観た映画をご紹介したいと思います。

 

『ビューティフル・マインド』(2001年、ロン・ハワード監督)です。

 

ジョン・フォーブス・ナッシュ・ジュニアという人物を描いた映像作品です。

映画ですので実際との相違や描き切れていない部分もあるらしいのですが非常に良い作品です。

 

この方はゲーム理論という私には何だかよくわからないものを発見した優秀な数学者・経済学者であると同時に統合失調症(作品中では旧病名の精神分裂病を使用)による精神障害に苦しんだ方です。闘病は1959年頃から1980年代後半頃までの約30年間とされており、寛解に至ってからノーベル賞を受賞されています。どんな困難や障害があっても自分のやるべき事を継続することがいかに重要かを教えてくれています。妄想・幻聴・幻覚の症状の様子も映像として上手い描き方をしていますし、それに苦悶する本人、彼を支える奥さんの苦悩も観ているだけで辛くなりました。

寛解といっても症状が完全に無くなったわけではありません。

「いや  消えてない。たぶん永遠に消えない。」

というラッセル・クロウ演じるナッシュのセリフがあります。

そのどこか達観した言葉は病を乗り越えるには本人の病識を高めることが必須だと感じさせられました。

 

2015年、数学者に贈られるノルウェーのアーベル賞を受賞、授賞式の帰り道にご夫婦でタクシー乗車中のところ交通事故にあわれてお二人ともお亡くなりになってしまったようです。残念です。

 

話は脱線してしまいますが、2022年度の新学習指導要領に伴い高校の保健体育の教科書に精神疾患が40年振りに記述されるようです。制度内の教育に盛り込む事は重要ですし、そして制度外でこういった作品を併用すれば接点は更に心に近い位置になるのではないでしょうか。

 

本作は2002年アカデミー賞において、作品賞・監督賞・助演女優賞・脚色賞の4冠を達成、広く出回っていて比較的ご覧いただけやすいと思います。

レンタルやネット配信でも観れますので年末年始に家でゆっくりされる時に是非。

 

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私もネット配信で観ました。なので写真は原作本です。図書館にあったので借りたのですが思っていたより分厚くて少し驚きました。その分映画にはなかったどんな事が書かれているのか楽しみです。

 

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