ブログ Blog

お世話になりました。

kmです。

私が担当するブログも今回で最後になります。私事ではありますが退職する事となりました。少し集中して勉強をするための選択です。

 

ここで過ごした半年間を振り返りつつ自分が書いたブログを読み返したところ、今回を含めて12回のうち8回は映画や本の紹介で、全てなんらかの障害者に関するものでした。私が拙くても自分なりに紹介をしてきたのは、個人の中に障害に対するイメージがあるとして、その揺れ動くイメージが『±0』の位置にある瞬間が僅かでも増えれば、という願いからでした。『−』はもちろん『+』であってもいけないのだと思います。障害は相対的に決まるものでわりと曖昧なものです。しかし行政・医療の制度・便宜上は境界線を明確にする必要があり、その境界線が一人歩きして幅をきかせてしまって問題になっている場合が多いのかもしれません。

 

私は半年間で素晴らしい雑貨や工芸品をおつくりになる障害を持った方が多くいらっしゃる事を知りました。そして同時にその物質である商品『モノ』がコミュニケーションの第一歩になる事がいかに重要かも知ることが出来ました。

以前、障害を持った作家さんとお話しをする機会がありました。その方は海洋生物のシャチがお好きなようで、お描きになった絵が商品デザインになっていました。会話の中でその方が他にあげた生き物もモノトーンでした。

私が

「白色と黒色の生き物が好きなんですか?」

との問いに

「うん。好き好きー。」

との返答でした。

なんでもないやり取りですが非常に高密度のコミュニケーションになる場合があるんだな、と勉強になりました。私もモノトーン配色が好きなのでより同調が出来て親しみを感じましたし、お互いの感性に共通点を見出し、そこから築いていく関係は強固で間違いが少なく、間違ったとしても修正は比較的容易です。その足がかりを作り円滑にしているのが創作を基盤とした『モノ』である事は重要であり、その場合の言葉でのやり取りは最低限であっても密度は保たれるんだな、と感じた事をよく覚えています。

 

障害を持った方が商品をおつくりになる、これは当事者・周囲・社会にとって重要なコミュニケーションであり参画なのだと日々感じました。多様性が重要だ、という言葉は見聞きする機会は多いです。同じような価値観や感覚の人間ばかりだと創造性が乏しくなるからであり、私も自分の感性にはない商品に日々刺激を貰いながら過ごせたお陰で短期間で次に進もうと思う事ができたのです。

 

素敵な商品をおつくりになった方々、全国の作業所の方々、一緒に働いた方々、そして何よりお客様と商品たちに心から感謝しております。

相手はモノではありますが、それらに対する気持ちも記せたところで終わりにしたいと思います。半年間の思いを書けばきりがありませんので。

いたらない所が多々あったとは思いますが、私がここで行った仕事が障害への理解に僅かでも繋がったのであれば幸いです。

 

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