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東京光の家 栄光園さん

最近のショップ定休日の火曜日に恒例となってきた感がある施設巡り。

今回お邪魔したのは東京は日野市にある光の家 栄光園さんです。
こちらは 主に視覚障害者の支援をされている“社会福祉法人東京光の家”の中で職業訓練を行ったり働く場を提供している施設です。

法人内には他にも生活や機能訓練などを行う施設、入所施設などもあり視覚障害の方を複合的にサポートしています。
しかもこちらは視覚障害のみでなく他の障がいも併せ持つ“盲重複障害者”と呼ばれる方々を受け入れている数少ない施設なので、利用者さんは日本全国から来られるそうです。
栄光園さんからマジェルカにはノート類を置かせて頂いています。
以前にも訪問して製品の取り扱いのお願いを兼ねて見学をさせて頂き、ご担当の萩原さんには随分とじっくりと丁寧に案内をして頂いていたのですが、ショップのオープン前だったので写真も取らず、これまでご紹介も出来ずにいましたが、今回、新たなご相談を兼ねて再度ご訪問してきました。
到着してさっそく萩原さんに案内して頂きます。
まずはノートを作っている三階から。
以前の訪問時にも感じたのですが、こちらは皆さんとても元気で楽しそうなんです!
(だから行きたかったのかも)
萩原さんと利用者さんとの冗談の言い合いが楽しい(^O^)
萩原さんから説明を受けているのは京都からいらした薮内さん。
薮内さんは京都造形芸術大学の大学院生です。
私なんかより前から障がいのある方とモノ作りなどを通して関わって活躍されていらっしゃる。
今回は東京に出てくる機会があり、色んな現場を見てみたいとの事で私に同行しています。
えらいです。
せっかく東京に来ながらプライベートを割いてお勉強です!
行動力あります。
いつでも走れるようにリュックサック背負ってるんです!(私の勝手な憶測です)
災難です。
私なんかに引っ張り回されてます!
彼女とも5月か6月頃に一緒に何かマジェルカでやろうとしています。
さて、薮内さんは置いといて(ゴメンなさい)栄光園さんです。
ノート一冊作るにも様々な工程があります。今ではその工程の多くは専用の機械が行う事が多いのですが、こちらでは多くの工程に昔ながらの手作業が残っています。
これわかりますか?
ノートの背にリングを通しているんです。
例のバネ状のリングというかコイルですね。
よそ見してるんじゃありません。
目が見えないので手先に意識を集中させているんですね。
こちらは通したコイルの処理をしています。
下は同じ方、紙の枚数を手先と音などで確認しながら数えています。
ちなみに写真撮りますっていったらわざわざマスクを外すお茶目さんです。
目が見えなくても作業がし易い様に色んな器具に工夫された治具が取り付けられています。
これは決まった長さ、位置で髪を切断できるようにストッパーが付いています。
マジェルカでもお馴染みのらくがき帳。
80枚綴じでなんと¥120!安すぎです。いけません!
まだ背中がテープで綴じられていませんね。
これもひとつひとつ手作業です。
¥120のらくがき帳も彼らの手でこうやって丁寧に作り上げられているのですよ(^-^)b
(ただ、写真撮るのでたぶんいつも以上に丁寧ぶってやってます・・・笑)
このレクター博士の口元みたいな金具のついた機械は、手前の紙の様に沢山のパンチ穴を開ける物です。今ではもう製造されていない年季モノだそうです。
何やら発見!カラスのように輝く物体に過剰反応です。
これは紙にロゴやマークを押すための箔(ハク)です。
こんな感じ。
金色以外もあります。これは以前ノベルティとして作って頂いたもの。
ノベルティ製作の依頼は結構手がけていらっしゃいます。
下の物は飼い犬の写真データを取り込んで印刷してメモ帳にしたモノです。
ノベルティやオリジナルの製作には、数十冊単位という少量から対応して下さるので皆様も是非いかがですか?
マジェルカでもご相談承りますよ。
こんな雑誌に栄光園さんの「ヴィジュアルイースノート ブラック」が!
弱視の方にも見えやすいという事で作られたこのノート、マジェルカでもかっこいいとかクレヨンで描くと面白いって人気です。
さぁお次は2階です。
こちらでは点字出版物の印刷や製本を行っています。
亜鉛の板に印刷する点字が機械で打ち込まれた物です。
これを紙と一緒にギュギュっと向こうからローラーに通します。
出てきた紙には見事に点字が打ち込まれています。
紙だけ外してお隣の製本する係の方に渡します。
チームワークが必要な流れ作業です。
下の方は製本の為に麻糸で紙束の背を縫っています。手仕事でございます。
さぁお次は1階。
こちらは内職作業として箱折りやその他企業からの請負作業をしています。
読者の皆さんも生活の中で知らず知らずのうちに福祉作業所で手がけられた製品を結構
手にしているんですよ。
最後にこちら。
ここでは生活雑貨品を売るショップも運営しています。
ショップスタッフはもちろんみなさん視覚障害のある方。
ここまで長くなりましたが、(といいながらも殆どが写真ですが)
とにかく皆さん明るく元気で、お蔭でこちらも楽しい気分にさせて頂きました♪
笑い声や冗談があちらこちらで上がります。
ふと思いました。
冗談であろうと彼らにとって声を出すという行為自体は、きっと我々目が見える人間が考える以上にとっても大切なのだろうなと・・・
帰りがけに利用者さん同士のほんの何気ない会話が耳に入りました。
ギリシャ人ってどんな顔なんだろうなぁ?」
ポルトガル人みたいなんじゃないか?」
ポルトガル人って言われてもどんな顔か浮かびませんが、私はネットで簡単に調べて画像として目にする事が出来ます。
彼らの中にはいったいポルトガル人のどういうイメージが浮かんでいるのでしょうか。
そしてギリシャ人のイメージを手にいれる事は出来るのでしょうか?
見る事はかなわないにも関わらず何かの姿を思い浮かべるという事にどういう思いがあるのでしょう?
そして私の姿は彼らにはどのように映っているのでしょうか?
障害のある人たちが作るからといって、あまり難しいことや大げさなことや偉そうなことを考えずに「可愛い!」「面白ーい!」と気軽に手にとってもらえる場となりたいマジェルカですが、それを媒介する私自身はこれから将来、どれだけ作り手である彼らを知ったり、知って悩んだりする経験を積み上げていくかがマジェルカの活動の意味をより広げ、マジェルカだからこその強みを大きくしていってくれるのだろうな、なんて、作業所を訪問するたびに実感しています。
栄光園さんを後にしてお次は八王子生活館さんの展示会場のギャラリーに向かいます。
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